年利の上限を知っておこう

年利というのは貸金業者が任意で設定できるものです。
ですが幾らでも良いというわけではなく、きちんと法律によって上限が定められています。
利息制限法という法律があり、以下のように定められています。
この数字は年利という表記でも、実質年利でも同じです。
利息制限法の上限を越えた利率の設定はできません。
実際にはできるのですが、上限を越えた設定をした場合は貸付そのものが無効として扱われるのです。
一般的な貸金業者の年利はどれくらい?

街金と呼ばれる中小の消費者金融だと融資のためのルールは緩いですが、1回の融資額は少なく金利も上限いっぱいの20%の設定が目立ちます。
大手の消費者金融になると、年利が18%の設定が多いでしょう。
このように貸金業者も利息制限法の上限を越えないような設定をしていますが、契約前にかならず確認するようにしてください。
ちなみに「トイチ(10日で1割)」「トゴ(10日で5割)」と呼ばれる利息は法定利率で定められている年利を遥かに超えています。
これらの利率を設定している業者は、すべて違法業者の闇金ですのでご注意ください。
利息制限法について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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利息制限法ってどんな法律なの?【弁護士が詳しく解説します】
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年利にある単利と複利についても理解しよう

年利の確認をする時には、もう1つ見ておきたいものがあります。
それは単利か複利か、というポイントです。
カードローンなどで多く採用されているものなのですが、単利と複利にはどういった違いがあるのかも理解しておく必要があります。
単利とは
単利というのは単純に利息を計算していくもので、先程例でだした計算方法が単利だと考えてください。
確認しておきましょう。
10万円を年利18%で借りて、1年後に一括返済するのなら11万8000円の返済になるというものです。
複利とは
注意する必要があるのは複利になります。
複利と単利で大きく違うのは2年後以降の計算式です。
条件としては先程と同じく、10万円を年利18%で借りたとしましょう。
ただし複利で3年後に一括返済すると考えてください。
1年目は単利と同じく10万円にかかる利息は1万8000円
2年目は11万8000円に18%をかけるので、利息は2万1240円
3年目は11万8000円に21240を足して、18%をかけるので利息は2万5063円
となるのです。
大きな違いとしては元金に利息が毎年追加されていくことです。
元本を減らしにくい状況で返済をしているとすれば、利息だけがどんどん増えていくような状況になってしまいます。
この複利方式の年利は、近年カードローンの返済などで多く採用されています。
計算方法も複雑化するので、自分ではしっかり計算できないことも多いでしょう。
そうした時はカードローンの公式ウェブサイトなどで用意されている、返済シミュレーターなどを利用するといいです。
複利でお金を借りる時には、必ず単利か複利かを確認してください。
さらに返済額などをしっかりと、事前に考えておかないといつまで経っても借金の額が減りません。
参考:一般社団法人 全国銀行協会「金融商品を見るときに知っておきたい金利表示」
年利を減らす3つの方法

続いては年利を減らす方法について考えてみましょう。
お金を借りる時には年利が重要なポイントになることはお伝えしました。
次に年利を下げることはできるのか、について考えてみます。
結論から申し上げると年利を減らす方法は3つあります。
- 貸金業者との信頼関係を築く
- 年利の低いローンや貸金業者に借り換えをする
- 弁護士にお願いして債務整理をする
それぞれ詳しく見ていきましょう!
年利を減らす3つの方法①
貸金業者との信頼関係を築く

まず金利を下げる方法としては、貸金業者との信頼関係を築く方法があります。
貸金業者の代表と言えるのが消費者金融です。
消費者金融では融資限度額というのを設けていて、この限度額が大きくなれば年利が下がります。
先程触れましたが、利息制限法では100万円を境にして金利が18%から15%へと低くなるように設定されています。
つまり限度額が100万円を超えれば、最低でも年利は3%下がるのです。
そのために必要なのが信頼関係を築くことになります。
信頼関係というのは、きちんと返済できることを証明するだけです。
貸金業者は融資の前に審査を必ず行います。
それは資産の調査であったり、過去の借金の返済状況などを見て、返済できる人かどうかを見るためです。
ただ審査でOKを出したとしても、実際にその人と取引をしてみるまでは、しっかり返済できるかどうかはわかりません。
そのため初回の取引では限度額いっぱいまで融資をするのではなく、低めに設定する傾向があります。
つまり何度か融資を受けて完済する、といったことを繰り返すことによって、信頼関係が築けるのです。
その結果として貸金業者の方から増額をしたり、年利の引き下げについての提案があったりもします。
自分からそれを申請することも可能です。
年利を減らす3つの方法②
年利の低いローンや貸金業者に借り換えをする

年利を引き下げる方法としては、他にも借り換えを使う方法もあります。
借り換えとは年利の低いローンであったり、そうした貸金業者で借り換えをするパターンが該当するでしょう。
代表的なのが消費者金融から、銀行のおまとめローンに乗り換えをするケースです。
一般的に消費者金融が設定する年利の上限は、各社で異なりますが18%程度になります。
これが銀行の提供するカードローンやフリーローンだと、平均して14.5%程度の設定なのです。
つまり銀行のローンで借り換えを行うだけで、年利を3.5%程度は下げられます。
ただし借り換えは誰でもできるものではありません。
何故なら銀行が行う審査に通過しないといけないからです。
銀行が年利を低めに設定している理由は、それだけ条件が良い人に融資をしているからだと言えるでしょう。
多重債務の状況で複数の貸金業者から融資を受けている
年収の3分の1ぎりぎりまで借金をしている
過去に返済の支払いに遅れたことがある
といった項目に当てはまると、銀行の審査に通るのは難しくなります。
その点を考慮して、借り換えを利用するのか検討するといいでしょう。
年利を減らす3つの方法③
債務整理を使う

年利の引き下げで決定的なのは債務整理を使う方法です。
債務整理とは法律で認められたもので、借金の返済で生活が苦しくなった時などに利用できます。
債務整理とはこれらの総称になります。
■任意整理
任意整理とは弁護士が債務者の代理人となって、各債権者との和解交渉を行うものだと考えてください。
借金をしている相手に対して、今のままでは返済ができないからと、金利を引き下げる交渉などを行うものです。
任意整理の特徴としては交渉する債権者を選べる点で、例えば住宅ローンは残したままで消費者金融とのみ話をすることが可能です。
■特定調停
特定調停とは弁護士の代わりに裁判所が、各債権者と話をして和解を成立させるといった方法になります。
裁判所を通すことになるので、最近ではあまり使われなくなりました。
■個人再生
個人再生は民事再生とも呼ばれる方法です。
現在の借金が返済困難であると裁判所に認めてもらうことで、大幅に借金そのものを減額してくれます。
この時に年利もかからないようになるのです。
減額された借金については、3年~5年をかけて分割で返済をしていきます。
■自己破産
最後の自己破産は借金をゼロにするものです。
裁判所の決定が必要ですが、自己破産が認められると借金がなくなります。
ですが自分の持つ住宅や車など高額な資産は、手放さないといけません。
債務整理について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
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債務整理とは?メリットやデメリットは?【闇金でお困りの方必見】
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債務整理をするなら弁護士へ

借金の年利を引き下げるのなら、債務整理が効果的です。
まったくデメリットがないわけではありませんが、それでも他の方法よりも大きく年利の引き下げができます。
場合によっては自己破産をすることで、借金そのものをゼロにもできるでしょう。
こうした債務整理なのですが、どのように手続きをすればいいのかを確認しておきます。
端的にお伝えすると、債務整理は債務者本人が行うことも可能ですが、一般的には弁護士に依頼することがほとんどです。
弁護士に相談するメリット

なぜ弁護士に依頼するのかですが、これは交渉をするのが大変なことや、手続きそのものが煩雑だからだと言えます。
債務整理は法律系の資格がなくても行えるのですが、たくさんの貸金業者を相手に借金の減額や年利の引き下げ交渉をするのは容易ではありません。
また申請書類の手続きなど煩雑な部分が多いので、専門家に任せてしまった方がいいでしょう。
ちなみに弁護士に支払う料金ですが、債務整理を依頼する人はお金に困っていることが多いので、基本的に後払いとなっています。
しかも分割返済に対応していることが多いので、比較的に楽に支払いを行えるでしょう。
まずは無料相談から。
弁護士に相談すれば、今後の方針や適切な解決方法について丁寧にサポートしてくれるでしょう。
まとめ:年利ってなに?実質年利との違いは?【分かりやすく解説します】

年利ってなに?実質年利との違いは?【分かりやすく解説します】
- 年利というのは借金をした元金に対して、1年で支払う利息の利率を指す言葉
- 利息以外に必要な手数料や保証料を考慮した金利を実質金利という
- 単利と複利の違いに気をつけよう
- 金利を引き下げしたいなら弁護士に相談して債務整理をしてもらおう!
今回は年利や実質金利、上限金利の意味、年利の下げ方などについて詳しく解説しました。
ひとことで年利と言っても
ただの年利なのか?それとも実質年利なのか?
単利なのか?複利なのか?
によって、その金額は大きく変わってきます。
年利に関する知識を増やして、よりお得な形で借金するようにしましょう。
もしも年利を減らすために債務整理を考えている方は、弁護士に相談するのが一番効率的です。
闇金トラブルは、迅速かつ的確な対応が出来る専門家に依頼しない限り終息しません。
しかしながら、ヤミ金融業者に対応している事務所はごく少数です。
その中でも的確な対応ができる事務所は、ほんの一握りです。
不慣れな事務所が不適当な対応をした場合、状況が悪化することもありますので、依頼先の選定は慎重におこなう事をおすすめめいたします。
シン・イストワール法律事務所では、様々な闇金トラブルを解決してきた実績があります。
今ならお電話・メールにて無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
