借金

債務整理は親バレ・家族バレ・会社バレする?【対処法を詳しく解説】

更新日:

  • 本記事の監修弁護士
弁護士 田島 聡泰 シン・イストワール法律事務所

監修者

弁護士 田島 聡泰

シン・イストワール法律事務所代表弁護士。東京弁護士会所属。
注力分野:債務整理(自己破産・過払い金・闇金・ファクタリング)・養育費回収など

債務整理をしたいけど親や家族にバレたくない!誰にもバレずに債務整理ってできるのかな?
会社に知られることなく債務整理の手続きを進めるにはどうしたら良いんだろう...

今回はこういった疑問を解決していきます。

国に申請することで借金を減額・免除できる手続きのことを債務整理(さいむせいり)と言います。

債務整理は借金を減らすことができる魅力的な手続きですが、借金や債務整理の事実を家族や親戚、職場の人には知られたくないと考える方は少なくありません。

そこで今回は債務整理をすると親や家族、会社にバレるのか、具体的なタイミングやバレないための方法などについて詳しく解説していきます。

現在借金を抱えていて、なるべく穏便に債務整理をしたいと考えている方は必見です。

本記事のテーマ

  1. 債務整理をすると親・家族や会社にバレる?
  2. 債務整理が親や家族にバレるケース
  3. 親や家族にバレずに債務整理する方法
  4. まとめ:債務整理は親バレ・家族バレ・会社バレする?【対処法を詳しく解説】

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債務整理をすると親・家族や会社にバレる?

「家族に内緒でつくった借金だから何とか返したいけど、支払いがもう限界...」

「借金の返済がつらいが、誰にも相談できない」

このように、借金の返済が限界に達したとき、親バレや家族バレ、会社バレを心配して、1人で悩む方は少なくありません。

1人で悩まずに家族の協力を得られた方が解決がスムーズですが、人にはそれぞれ事情がありますよね。

借金を解決する方法として、債務整理(任意整理、自己破産、個人再生など)が思い浮かびますが、同居する家族に内緒で手続きを行うなんて可能なのでしょうか?

ここでは、親や家族、会社に内緒で債務整理をする方法、バレないための方法を詳しく説明します。

バレる可能性やタイミングを理解すると、スムーズな債務整理ができますので、しっかりと確認していきましょう。

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親や会社にバレる可能性はあるが気をつければ大丈夫

実は、債務整理が親バレする原因は大体決まっています。

逆に言うと、それらを避けることができれば、まずバレることはありません。

親バレ・家族バレの可能性を左右するポイントは、次の2つです。

  • 家族と同居しているか
  • 親が借金の保証人になっているか

まず「家族と同居しているか」についてですが、同居していない場合、どの債務整理を行ってもバレる可能性は非常に低いです。

もし裁判所、弁護士や司法書士、債権者から電話や郵便物などが来ても、同居していなければ、家族に知られることが無いからです。

ただし、同居しているからといって不安になる必要はありません。

債務整理の手続きの際に、弁護士や司法書士に「家族に内緒にしたい」との旨を伝えておくことで、親バレ・家族バレを未然に防ぐことが可能です。

次に「親が借金の保証人になっているか」についてですが、残念ながら、このケースでは親バレの可能性が非常に高いです。

なぜなら、親が保証人になっている借金の場合、債務整理によって返済義務が親に移り、債務整理の開始を保証人である親に通知されるからです。

債務整理を始める前に、自分の借金の保証人が誰になっているのか、確認するようにしましょう。

会社にバレる可能性はほとんど無い

親バレや家族バレと比べると、会社バレの可能性は非常に低いといえます。

ただし債務整理の中にもいくつか種類があり、「任意整理」はバレにくく、「個人再生」と「自己破産」はバレやすいことは覚えておきましょう。

この違いは、必要書類を用意するときに、会社のサポートを要するかどうかで決まります。

分かりやすく表にまとめてみると以下の通り。

任意整理個人再生・自己破産
自分で用意できる必要書類身分証明書
支払いの明細書
身分証明書
支払いの明細書
職場での発行が必要な書類なし収入明細書
源泉徴収票
退職金見込額証明証

任意整理の手続きで必要な書類は、身分証明書や借金の支払いの明細書などがあります。

これらは自力で集められますし、そろえた後は、裁判所などの公的機関を通す必要がないため、交渉が比較的スムーズに進みます。

一方で、個人再生や自己破産では、任意整理で必要な書類に加えて、収入明細書や源泉徴収票、退職金見込額証明書などが必要です。

これらの書類は、職場で再発行しなければなりません。

場合によっては、債務整理を行う本人だけでなく、配偶者の書類を求められることもあります。

このように、個人再生と自己破産では、書類準備の段階で、会社や家族がかかわる機会があるので、会社バレ、家族バレの可能性が高いと言えるでしょう。

債務整理が親や家族にバレるケース

ここまで、債務整理の親バレ、家族バレ、会社バレの可能性について説明してきました。

ここからは、債務整理の手続き中・手続き後のどんなタイミングでバレる可能性があるのか、ケースごとに分けて解説していきます。

債務整理が親や家族にバレるケース

  1. 消費者金融からの郵便物・電話でバレる
  2. 債務整理中の弁護士・司法書士からの連絡でバレる
  3. 弁護士・司法書士の支払いを延滞してバレる
  4. 債務整理後の官報に掲載されてバレる
  5. クレジットカードが使えなくなってバレる

それでは順番に解説していきます。

ケース① 消費者金融からの郵便物・電話でバレる

消費者金融で借金をしていると、支払い状況の確認や返済額の変更などの案内が郵送で届くことがあります。

万が一、差出人が消費者金融になっている郵送物を親に見られてしまったら、借金を疑われるでしょう。

他にも、消費者金融は携帯電話がつながらない場合に、固定電話にかけてくることもあります。

自分以外の家族が電話に出てしまったら、親バレ、家族バレは避けられません。

しかし、消費者金融からの案内はオンラインの場合がほとんどですので、よほどのことが無い限り心配不要と考えて大丈夫でしょう。

なるべく親バレ、家族バレを避けたい方は、消費者金融からお金を借りるとき、明細の受け取り方を郵送ではなく、オンラインに設定するようにしましょう。

もし、消費者金融からの連絡に応じないまま借金の延滞を繰り返すと、債権者が裁判所に申し立てをして、裁判所から自宅に支払い督促が届くケースもあります。

裁判所からの支払い督促を家族に見られたら、借金に気づかれてしまいます。

消費者金融への延滞はなるべくせず、返済できないと分かった時点で早めに弁護士や司法書士に相談するようにしてください。

ケース② 債務整理中の弁護士・司法書士からの連絡でバレる

債務整理の手続き中、弁護士や司法書士から必要な書類が郵送で送られてくることがあります。

当然ながら、同居している家族に郵便物を見られたり、「なんの手紙?」と聞かれたりする可能性があります。

家族と同居している場合は、前もって弁護士や司法書士に「家族に内緒で債務整理をしたい」と伝えておきましょう

弁護士や司法書士は依頼人の要望に応えるプロですから、大抵の場合は柔軟に対応してくれます。

例えば、書類を自宅ではない場所に送付したり、法律事務所名が分からないような普通の茶封筒で送るなどの工夫が可能です。

債務整理を弁護士や司法書士に依頼しようと考えている方は、「家族に内緒にしたい」と伝えることを忘れないようにしましょう。

ケース③ 弁護士・司法書士の支払いを延滞してバレる

債務整理の解決後には、弁護士や司法書士に依頼料金を支払う必要があります。

この支払いを滞納した場合、自宅に督促の手紙が届いたり、携帯電話が通じなければ、固定電話に着信が届くと考えられます。

せっかく借金問題を解決できたのに、最後に家族にバレてしまうのは何としてでも避けたいですよね。

家族バレを防ぐという意味でも、自分に力を貸してくれた弁護士や司法書士にきちんと報酬を支払うという意味でも、支払いの延滞はしないように気を付けましょう

ケース④ 債務整理後の官報に掲載されてバレる

官報とは、法律・政令等の制定・改正の情報、破産・相続等の裁判内容を掲載する機関紙のことで、休日を除き毎日、国が発行しています。

官報を見る方法は、有料の紙媒体、直近30日分を無料で閲覧できるインターネットの2種類があります。

インターネット版官報はこちら(https://kanpou.npb.go.jp/)

債務整理のうち、裁判所の手続きが必要な個人再生と自己破産は、裁判所の決定内容を官報に公告することが規定されています。

掲載の回数は、個人再生が2回、自己破産が3回です。

官報で個人情報が公開される理由

なぜ大切な個人情報を、誰でも閲覧可能な官報に公表されるのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
さまざまな理由がありますが、官報には法律に基づいて手続きを完了させたと債権者に開示する目的があるからだと言われています。

一方で手続きで裁判所を通さない任意整理は官報には掲載されません

官報に掲載されるからといって「親バレ、家族バレは避けられない。絶望的だ...」と落ち込む必要はありません。

そもそも、あなたは人生で官報を読んだことがありますか?

「昨日官報見てたらさ~」などと家族や友人と会話をしたことがあるでしょうか?

ほとんどの方はないと思います。

私たち一般市民にとって、官報の影響力はその程度ということです。

よほど真剣に官報からあなたの情報を得ようとしている人がいない限り、官報で個人再生や自己破産がバレる心配はしなくて大丈夫でしょう。

官報に掲載された人を狙って融資の話を持ちかけてくる悪徳な貸金業者(闇金)も一定数存在しますので十分注意しましょう。

ケース⑤ クレジットカードが使えなくなってバレる

債務整理を行うと現在使っているクレジットカードは使えなくなりブラックリストに登録される間は新しくカードを作ることもできません

そのため債務者がクレジットカート主契約者で、家族に家族カードを持たせている場合は家族カードも使えなくなりますので、家族にバレる可能性が高いです。

一般的にブラックリストに載る期間は、任意整理だと債権者と和解が成立した日から5年間、自己破産だと7年~10年間といわれています。

債務整理をすると5年~10年はクレジットカードが使えず、周囲に債務整理をしたと気づかれるかもしれないので、注意が必要です。

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※ 債務整理受任に関しては弁護士との面談が必要ですが、諸事情により面談が困難な方はお気軽にご相談ください。

親や家族にバレずに債務整理する方法

ここまで、債務整理の親バレ、家族バレのケースを解説してきました。

では、実際に債務整理をするときにどうすればいいのか、具体的な方法などについて説明していきます。

親や家族にバレずに債務整理する方法

  1. 任意整理がおすすめ
  2. 手続きは弁護士や司法書士に任せる
  3. 家族や会社にバレたくないことを弁護士・司法書士に伝えておく
  4. 債務整理後は支払いを延滞しないようにする

それでは順番に解説していきます。

方法① 任意整理がおすすめ

債務整理にはいくつか種類がありますが、親バレや家族バレを避けたいなら任意整理がおすすめです。

理由は以下の2つにまとめられます。

任意整理がおすすめの理由

  • 裁判所を介さないので手続きが簡単&官報に掲載されない
    手続き過程の親バレ、家族バレのリスクが、他の債務整理の手段よりもかなり低いといえます
  • 整理する業者を選べる
    例えば複数の消費者金融から借り入れをしている場合、無担保・無保証人のカードローンだけを任意整理し、家族が連帯保証人になっている借り入れはそのままにしておく、といったように整理する債務を細かく調整できます個人再生、自己破産ではできない方法です。

一方で、任意整理には「個人再生や自己破産ほど借金を減額できない」「ブラックリストへの登録は避けられない」などのデメリットもあります。

とはいえ、これらのデメリットを考慮しても、任意整理は親バレや家族バレを避けて債務整理を行う最適な方法といえるでしょう。

方法② 手続きは弁護士や司法書士に任せる

債務整理の手続きを自分で行うのは、簡単なことではありません。

ましてや、親バレや家族バレを気にしながら行う場合はなおさらです。

手続き作業の負担、精神面の負担を軽減するために、多少の費用が掛かっても弁護士や司法書士に任せることをオススメします。

1人で悩まずにプロに相談することで、自分に合ったベストプランを見つけられるかもしれません。

債務整理をお考えの方、借金でお悩みの方は、まず弁護士、司法書士に相談してみてください。

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方法③ 家族や会社にバレたくないことを弁護士・司法書士に伝えておく

親バレ、家族バレを避けたい旨を弁護士や司法書士に事前に伝えるのは非常に重要です。

例えば、連絡手段は固定電話ではなく携帯電話と決めたり、事務所の封筒ではなく市販の茶封筒で書類のやり取りをするなど、対策ができます。

前もって伝えておくことで、専門家はあなたの事情に合わせて、臨機応変に対応してくれることでしょう

弁護士や司法書士に相談する段階で伝えると、スムーズな対応につながります。

方法④ 債務整理後は支払いを延滞しないようにする

せっかく借金問題が解決したのに、再び支払いの延滞をするのは本末転倒です。

親バレや家族バレを心配する毎日に戻ってしまいます。

こうした事態を避けるために、債務整理後は借金の支払いを延滞しないように、十分注意してください

最近では料金の後払い・分割払いに対応している弁護士事務所も増えているため、そうしたサポートを利用するもの1つの手段として覚えておきましょう。

また、延滞してしまうような金額を借り入れないことも重要です。

債務整理の手続きの努力を水の泡にしないために、借金の管理はこれまで以上に徹底するように心がけましょう。

まとめ:債務整理は親バレ・家族バレ・会社バレする?【対処法を詳しく解説】

まとめ:債務整理は親バレ・家族バレ・会社バレする?【対処法を詳しく解説】

  1. 債務整理をして家族にバレるかは「家族と同居しているか」「親が借金の保証人になっているか」の2ポイントで判断できる
  2. 債務整理には任意整理、個人再生、自己破産などの種類があるが、任意整理であれば会社に書類を発行して貰う必要がないので、会社にバレる可能性は低い
  3. 債務整理が親や家族にバレるタイミングは「貸金業者や弁護士からの連絡」「官報の掲載」「クレジットカードが使えなくなる」などがある
  4. 親や家族にバレずに債務整理をするには「弁護士に任意整理を依頼する」「弁護士に、バレたくない旨を伝える」ことが大切
  5. 債務整理などの借金問題で困ったら弁護士に相談しよう

今回は債務整理をすると親や家族、会社にバレるのか、具体的なタイミングやバレないための方法について詳しく解説しました。

親や家族にバレずに債務整理をしたい方は以下のポイントに気をつけましょう。

親や家族にバレずに債務整理する方法

  1. 任意整理がおすすめ
  2. 手続きは弁護士や司法書士に任せる
  3. 家族や会社にバレたくないことを弁護士・司法書士に伝えておく
  4. 債務整理後は支払いを延滞しないようにする

返済が困難な借金を抱えていて、債務整理を考えている方は、弁護士に相談するのが一番効率的です。

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