約束したのに養育費が振り込まれないときは、どう解決すればいいの?
今回はこのようなお悩みを解決していきます!
養育費は子の権利であり、親の義務ですが、残念ながら、約束の日になっても振り込まれないといったトラブルは少なくありません。
平成28年の厚生労働省の調査によると、
- 全母子家庭のうち、養育費について取り決めをしているのはおよそ4割
- 養育費について取り決めをした母子家庭のうち、実際に1度でも支払いがあったのはおよそ半分
と分かっています。
参考:厚生労働省 子ども家庭局家庭福祉課「養育費について」
本記事では、養育費が振り込まれない場合の適切な対処方法について、3つのケースごとにシン・イストワール法律事務所の弁護士が徹底解説いたします。
いま養育費回収問題でお困りの方は、記事を読み進めながら一緒に解決していきましょう。
養育費の不払い・未払い問題は弁護士に相談することでストレスなく解決できます。私たちシン・イストワール法律事務所にお任せください。
今回のテーマ
- ケース1:口約束で取り決めをしたが、振り込まれない
- ケース2:債務名義を作成したが、振り込まれない
- ケース3:履行勧告・履行命令をしたが、振り込まれない
- まとめ:養育費が振り込まれない場合の解決策とは?【ケース別に弁護士が徹底解説!】
養育費回収でお悩みなら
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養育費は子の権利であり、親の義務です。
泣き寝入りは終わりにしましょう。
シン・イストワール法律事務所が最後まで徹底交渉いたします!
ケース1:口約束で取り決めをしたが、振り込まれない
まずは「口約束で取り決めをしたが、振り込まれない」ケースの解決策と注意点をご紹介します。
「口約束で記憶も曖昧だから、振り込まれなかったら泣き寝入りするしかない」と諦める必要はありません。
具体的な対処方法を弁護士が解説いたします。
【解決策】債務名義を作成する
養育費を口約束で取り決めた方は、まず債務名義を作成するところから始めましょう。
債務名義とは、養育費など費用の支払いについて、取り決めの内容をまとめた文書のことです。
債務名義があると、支払いが約束通りに行われない場合に「強制執行」などの強い法的処置を用いて、元配偶者に支払わせることができます。
「口約束で、振り込みについても曖昧だった」という方も、改めて債務名義に残し、取り決め内容を正確に把握しましょう。
債務名義があれば、養育費を回収できる可能性が非常に高くなります。
養育費の債務名義としては離婚公正証書が代表的ですが、他にも以下のように種類があります。
《名称》 | 《内容》 |
離婚公正証書 | 夫婦で合意した離婚内容をまとめたもの。 |
調停調書 | 離婚時に養育費の取り決めについて、当事者間では話し合いが不可能な場合、家庭裁判所による調停で解決するのが一般的。調停で決着がついたときに作成されるもの。 |
審判書 | 調停で解決しない場合、裁判所で裁判官が両者の言い分を聞き、審判を下す。最終的な審判の内容が書かれたもの。 |
和解調書 | 裁判において、裁判所が提示した和解内容で決着をつけた場合に、その内容がまとめられたもの。 |
判決書 | 和解とならずに、裁判官の判決によって話をまとめた際に残されるもの。 |
債務名義に「養育費が支払われない場合は強制執行が可能」という旨の執行受託文言がついているとベストで、順調に養育費回収が進むでしょう。
どの種類の債務名義を作ればいいか分からないという方は、弁護士などの専門家にご相談下さい。
養育費回収問題は、家庭によって最善の解決策が異なるため、まずはあなたに合ったプランを知ることが大切です。
債務名義の有無によって、養育費回収の成功率が大きく左右されます。
口約束で安心せずに法的文書である債務名義にまとめておきましょう。
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参考養育費の相談事例をご紹介【口約束で養育費の取り決めをしたケース】
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【注意点】債務名義の作成では漏れなく話し合うことが重要
元配偶者と連絡がつく状態であれば、まずは話し合いで養育費に関する取り決めをして、公正証書を作成することをおすすめします。
話し合いでは、以下の5項目について詳しく決めましょう。
- 養育費の金額
- 支払い期間
- 支払い方法・支払い期日
- 不払いだった時の執行受諾文言
- 双方の環境が変わった時の再協議について
公正証書を作成する時はできるだけ具体的に、あらゆる可能性を想定して話し合うことが重要です。
詳細に決めておけば、環境の変化にも左右されずに安定して養育費を受け取ることが出来ます。
「元配偶者との話し合いを一刻も早く終わらせたい」という理由で適当に決めてしまうと、後からトラブルになったときに問題が余計に難しくなってしまいます。話し合いはしっかり行いましょう。
十分に話し合いがまとまったら、公正役場に行って公正証書を作成しましょう。
ただし、公証役場には当事者双方がそろって同席する必要がある点に注意してください。多くの公証役場の営業時間は平日9:00~17:00のみになります。
「元配偶者と連絡を取りたくない」「元配偶者が話し合いに応じない」場合は、弁護士への相談がおすすめです。
弁護士が仲介することで、精神的ストレス無く、スムーズに解決できます。
法律の専門家である弁護士であれば、養育費を適正額で交渉し、書類作成などの面倒な作業も過不足なく対応いたします。
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参考養育費を決める時に公正証書を作ったほうが良い理由【弁護士が徹底解説】
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ケース2:債務名義を作成したが、振り込まれない
次に「債務名義を作成したが、振り込まれない」ときの解決策をご紹介します。
残念ながら、債務名義を作成しても確実に回収できる保証はなく、支払いに応じないケースも少なくありません。
養育費の未払いは、泣き寝入りせずに交渉することが肝心です。
近年「養育費は子の権利であり、親の義務である」という認識が広まりつつあります。
【解決策1】内容証明郵便で督促する
「債務名義を作成したが、振り込まれない」という場合は、まず内容証明郵便で督促しましょう。
「内容証明郵便」とは、郵便を出した内容や発送日、相手が受け取った日付などの情報を郵便局が正式に証明するサービスです。
内容証明郵便では文書の内容が証明されるため、後日訴訟などを行う際に、意思表示の日付や内容等を立証する手段として役立つでしょう。
電話やメールよりも、正式な証拠として有利に機能します。
内容証明郵便は、郵便物の内容について、いつ、どんな内容のものを、誰から誰にあてて差し出したかということを、差出人が作成した謄本(内容を写したもの)によって証明するものです。
自主交渉ができない(話合いがつかない、使用者が応じない)場合には、配達証明付き内容証明郵便で相手に意思を伝えると効果的な場合があります。
引用:埼玉県「配達証明付き内容証明郵便について」
あなたが直接連絡して催促するよりも、より公的な督促方法として受け取られるでしょう。
「債務名義を作成したが、元配偶者が支払いに応じない」場合には、内容証明郵便でプレッシャーをかける効果も期待できます。
【解決策2】家庭裁判所による履行勧告・履行命令で督促する
家庭裁判所で調査、調停などの手続きで養育費について取り決めがなされた場合は、家庭裁判所による履行勧告・履行命令の制度が利用できます。
もし、債務名義が「調停調書」など家庭裁判所を介して作成されたものであれば、履行勧告・履行命令が有効でしょう。
元配偶者が家庭裁判所の履行勧告に応じない場合、一定期間内に自主的に支払うように履行命令を出して、支払いを促します。
相手方が取決めを守らないときには、家庭裁判所に対して履行勧告の申出をすると、家庭裁判所では、相手方に取決めを守るように説得したり、勧告したりします。
履行勧告の手続に費用はかかりませんが、義務者が勧告に応じない場合は支払を強制することはできません。
引用:裁判所「履行確保の手続について」
履行勧告・履行命令では、法的公共機関である家庭裁判所が当事者間に介入するので、元配偶者が支払いに応じるという一定の効果は期待できます。
しかし、履行勧告・履行命令には法的な強制力がないので、養育費回収のための確実な方法とは言えません。
【注意点】内容証明郵便、履行勧告・履行命令には法的効力が無い
繰り返しになりますが、内容証明郵便、家庭裁判所による履行勧告・履行命令には法的な強制力がありません。
つまり、内容証明郵便や履行勧告・履行命令は、確実な養育費回収方法とは言えないのです。
元配偶者が支払いに応じる希望を持てない場合は、早めに見切りをつけて次の手段で回収することをおすすめします。
次の養育費回収方法としては、法的な強制力を持つ「強制執行」が有効です。
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参考【養育費の強制執行】必要な条件や手続きの流れ【弁護士が徹底解説】
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ケース3:履行勧告・履行命令をしたが、振り込まれない
「履行勧告・履行命令をしても、相手が支払いに応じない」場合は、強制執行がおすすめです。
強制執行による養育費の回収について、具体的に解説していきます。
【解決策】強制執行で養育費回収する
「履行勧告・履行命令をしても、振り込まれない」という場合は、強制執行がおすすめです。
強制執行とは、裁判所が相手方の財産を移動できないように差し押さえをして、養育費として必要な分を強制的に請求・回収する方法です。
養育費回収の強制執行では、相手方の給与や預貯金を差し押さえる方法が代表的で、確実に養育費を回収できるというメリットがあります。
特に給与を差押えの対象にすると、未来分も回収可能です。
ただし、給料を差し押さえる場合には、回収可能な金額に以下のような制限があると覚えておきましょう。
- 元配偶者の手取り額が66万円以下の場合...手取り額の50%まで回収可能
例)手取り額が50万円の場合は50%の25万円まで差し押さえ可能 - 元配偶者の手取り額が66万円以上の場合...手取り額から33万円を引いた全額を回収可能
例)手取り額が100万円の場合は33万円を引いた67万円まで差し押さえ可能
参考:国税庁「第76条関係 給与の差押禁止」
預貯金を差し押さえる場合、差押禁止債権に該当しないので無制限に回収できます。
債務名義を作成したうえで、あらゆる方法を尽くしても養育費が振り込まれない場合は、最終的に強制執行で解決することが一般的です。
【注意点1】強制執行には条件がある
法的な強制力が期待できる強制執行ですが、実行には条件があるので注意が必要です。
強制執行の条件
- 元配偶者の現住所を把握している
- 元配偶者の資産状況を把握している
- 債務名義を持っている
元配偶者の連絡先は把握していても、現住所や資産状況なんて分からない。
このようにお困りの方でも、心配不要です。
債権回収に強い弁護士に相談すれば、「弁護士会照会制度」で簡単に元配偶者の住所を特定することが出来ます。
弁護士会照会制度とは、必要書類や資料などの情報を、公的機関や一般企業に対して開示要求できる制度のことです。
弁護士会照会とは、弁護士が依頼を受けた事件について、証拠や資料を収集し、事実を調査するなど、その職務活動を円滑に行うために設けられた法律上の制度(弁護士法第23条の2)です。
個々の弁護士が行うものではなく、弁護士会がその必要性と相当性について審査を行った上で照会を行う仕組みになっています。
引用:日本弁護士連合会「弁護士会照会制度(弁護士会照会制度委員会)」
弁護士に相談することで、自力ではできない調査や準備を円滑に済ませられます。
元配偶者の住所や現状を探偵事務所に依頼して調査する方法もありますが、弁護士と比べて費用が多くかかる可能性があります。
強制執行は、法律の専門家である弁護士を味方につけることで、スピーディーに解決できます。私たちに一度ご相談ください。
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参考養育費の強制執行を元配偶者の会社が拒否したら?対処方法を弁護士が徹底解説!
続きを見る
【注意点2】強制執行の手順を理解しておく
強制執行は、大まかに以下の流れで行われます。
強制執行による養育費回収の流れ
- 強制執行申立に必要な書類を用意
- 元配偶者の居住地域の地方裁判所に申立を行う
- 差し押さえ申立が成立する
- 取り立てを行う
- 回収後に取り立て届けを裁判所に提出
養育費の強制執行に条件が設けられている理由としては、法的効力が非常に強いため、義務者(元配偶者)が不当に不利益を被るリスクを防止するためと言えます。
強制執行には条件のほかにも、手数料や必要書類が多くあります。
裁判所ホームページや以下の記事で最新の情報をチェックしましょう。
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【養育費の強制執行】必要な条件や手続きの流れ【弁護士が徹底解説】
続きを見る
まとめ:養育費が振り込まれない場合の解決策とは?【ケース別に弁護士が徹底解説!】
今回のまとめ
- 「口約束で取り決めたが、振り込まれない」場合は、債務名義を作成するところから始める
- 「債務名義を作成したが、振り込まれない」場合は、内容証明郵便、履行勧告・履行命令を利用する
- 「内容証明郵便、履行勧告・履行命令を使用しても、振り込まれない」場合は、強制執行を申立てる
- 養育費回収は家庭ごとに最善の解決策が異なるので、弁護士にまず相談してみる
- 弁護士が介入することで、冷静な話し合い、正確な書類準備、適正額での交渉が期待できる
今回は、養育費が振り込まれない場合の適切な対処方法について、3つのケースごとにシン・イストワール法律事務所の弁護士が徹底解説いたしました。
話し合いで取り決めたにもかかわらず、養育費を期日までに支払わないケースは、残念ながら存在します。
「養育費は子の権利であり、親の義務」ですので泣き寝入りせずに、最後まで交渉することが重要です。
養育費回収は、弁護士に代行させるとスピーディーに精神的負担なく解決することが可能です。
弁護士に養育費回収を相談するメリットは多くあります。
養育費回収を弁護士に相談するメリット
- 債務名義に必要な書類手続きを代行してくれる
- 強制執行に必要な書類手続きをすべて代行してくれる
- 裁判所や第三者機関とのやり取りも代行してくれる
- 相場額ではなく、あなたに合った適正額を交渉できる
- 養育費回収までスピーディー
- 減額請求を拒否できる可能性が上がる
- 増額請求が認められる可能性が上がる
- 無料相談の事務所が増えてきている
- 分割後払いできる事務所が増えてきている
- 着手金が無料の事務所が増えてきている
- 完全報酬型の事務所も増えてきている
ご覧のように弁護士に相談するメリットは数え上げれば切りがありません。
何より面倒な書類作成や裁判所とのやり取りをすべて代行してもらえるというのは、弁護士に任せる最大のメリットと言えます。
もともと専門的な知識のない方ならなおさらです。
自力で養育費回収を試みて失敗に終わる要因として「相場よりも大きく減額された」パターンがほとんどです。
弁護士に依頼することで、あなたの実情に合った適正額での交渉も期待できます。
「元配偶者に連絡を取りたくない」「子育てと並行して手続きをするのは辛い」という方は、弁護士に依頼して、精神的負担を軽く済ませましょう。
弁護士費用が不安な方も心配不要です。最近は「相談料・着手金0円」で受け付けている法律事務所も増えています。
シン・イストワール法律事務所は、これまで数多くの養育費回収トラブルを解決に導いてきました。
豊富な経験とノウハウを知り尽くしたシン・イストワール法律事務所へ、安心してご相談ください。
当事務所では電話相談・メール相談・着手金をすべて無料で受け付けております。
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