平均相場

養育費の平均相場っていくら?【パターンごとに詳しく解説】

更新日:

  • 本記事の監修弁護士
弁護士 田島 聡泰 シン・イストワール法律事務所

監修者

弁護士 田島 聡泰

シン・イストワール法律事務所代表弁護士。東京弁護士会所属。
注力分野:債務整理(自己破産・過払い金・闇金・ファクタリング)・養育費回収など

養育費の平均相場ってどれくらい?子供の人数ごとに変わるって本当かな?
養育費算定表を使った、養育費の平均相場の求め方を詳しく知りたい!

本記事ではこんな疑問や悩みにお答えしていきます。

養育費の平均的な相場はいくらなのでしょうか。

養育費と一口にいっても、それぞれの家庭の状況に合わせて異なるものです。

そこで養育費の相場について基礎的な部分から確認していきます。

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離婚後の養育費の平均相場は?(養育費算定表の使い方も)

最初に養育費の相場は、どの程度なのかから調べてみました。

養育費の基本的なコト

原則として養育費というのは、子供の権利になります。

両親が離婚したとしても経済的に困窮しないよう、親権を保有しない方の親が生活費用を支払うのが養育費の根本です。

そのため養育費の具体的な金額は、自分自身の収入や、元配偶者の収入によって大きく異なるのです。

さらには子供の権利というだけあって、1人あたりの費用ということで計算を行うのが一般的になります。

つまり離婚をした時の子供の人数や、さらには年齢も考慮されるのです。

というのも子供の年齢が上であればあるほど、学校の授業料や塾代、といった学費負担が大きくなるからです。

そのため義務教育が終わる年齢か、どうかで大きく費用も違ってきます。

では養育費の相場は、どうやって分かるのでしょうか。

これは養育費算定表というものがあります。

養育費算定表とは

一般的に日本では2種類の養育費算定表が用意されています。

この内通常使われるのは裁判所作成のものです。

ただし裁判所作成の養育費算定表は、統計データを元にして作ってあるため、実際の生活費よりも低く設定されています

この欠点を埋めるために、実情に近い数値としたのが日本弁護士連合会のものです。

ですが近年では裁判所としても、養育費算定表の数字が低いことは理解していて、調停や審判を求められた時には増額する傾向にあります。

養育費算定表の使い方

では次に養育費の平均的な相場を知るための手順を紹介しておきましょう。

  1. 裁判所の養育費算定表をウェブサイトからダウンロードしておく
  2. 養育費算定表を確認する
  3. 算定表の相場を元にして両親で協議をする
  4. 最終的にお互いが納得のいく額で合意する

4つの手順がありますので、1つずつ確認していきます。

最初に養育費算定表なのですが、これは裁判所のウェブサイトにデータがありますのでダウンロードしてください。

ブラウザによっては、そのまま見ることも可能です。

裁判所の養育費算定表には9つの種類があります。

  • 子供が何人いるのか
  • 子供が15歳未満か以上か

この条件で見るべき養育費算定表が異なります。

例えばですが子供の人数が2人で、1人は15歳以上で1人は15歳未満といったように該当する算定表を確認しましょう。

ただ家庭の状況次第で、養育費算定表に該当しない場合もあります。

その場合は別途計算をしなくてはいけません。

ここでは養育費算定表に該当するものがあったとして進めます。

養育費算定表を見ると分かりますが、縦軸と横軸に年収が記載されています。

  • 縦軸は支払いをする方(義務者)の年収
  • 横軸は支払いを受ける方(権利者)の年収

となっており、それぞれサラリーマンやパートなどの給与所得か、もしくは自営業としての収入なのかで外側と内側に2つの枠がとってあります。

それぞれに該当する項目の年収を確認してください。

ここでポイントは2つです。

  • 給与所得者の場合は昨年の源泉徴収票に記載されている額面金額が該当
  • 自営業者の場合は確定申告書の課税される所得額が該当

この2つの年収の軸が交わる場所に記載してあるのが、養育費の平均相場になります。

養育費の平均的な相場がわかれば、後は元配偶者と協議をしてください。(顔を合わせたくないときは弁護士に間に入ってもらうと良いでしょう)

養育費算定表の使い方や見方についてはこちらの記事をご覧ください。

養育費算定表の見方・使い方を分かりやすく徹底解説

続きを見る

協議で取り決めておいたほうが良いこと

この協議では養育費の額だけではなく、以下のことも取り決めておきます。

  • 毎月の養育費の支払日
  • 養育費の支払い期限
  • 振込口座
  • 養育費が未払いの時の対応
  • 不測の事態が起きた時の対応

基本的に養育費の支払いについて、しっかりと取り決めをします。

いつ支払いがあるのか、振込口座はどこで、いつまでに支払いをするのかです。

さらに養育費の支払い終わりに関する期限を決めておきましょう。

一般的には成人とされる20歳までですが、最近では子供が大学を卒業する年の3月までといった取り決めも増えているそうです。

この辺りはケースバイケースで考えてください。

重要なのは養育費の未払いが起きた時の対応です。

督促をしても反応がない場合は、差し押さえを良しとする文言があるといいでしょう。

また未払いも含めてのことですが、養育費の支払いに支障が生じた時にどういう対応をするのかも決めておきましょう。

その都度誠意をもって協議するというものでも大丈夫です。

ただし協議をする場合は法律の専門家である弁護士を挟んだほうが効率的に解決できるでしょう。

いずれの場合であってもお互いに納得のいく取り決めができれば、これを公正証書にしておきます。

メールなどでやり取りをする人も多いですが、法的な効力は持ちません。

多少費用はかかりますが、後々のトラブルを避ける意味でも公正役場で証書にしておくと便利です。

【養育費の平均相場を年収別に比較】子ども1人の場合

では実際に養育費算定表から、子供が1人の場合の平均的な相場を確認します。

ただし先述したように、子供の年齢が15歳未満か以上かで選択する養育費算定表が変わるので、2つのパターンに分けて比較していきましょう。

ウェブサイトにある養育費算定表の表1と表2が該当します。

子供の年齢が0歳~14歳の場合

最初に子供の年齢が0歳~14歳の場合です。

父親の年収が300万円、母親の年収が200万円(両親ともに給与所得者とする)

母親が養育費権利者で父親が養育費の義務者

このケースでは平均して2万円~4万円

父母の養育費権利と義務が入れ替わった場合だと、1万円~2万円

両親の年齢が若い場合だと以上が平均的な相場です。

ではもう少し年収をあげて考えてみましょう。

父親の年収は400万円で母親は300万円(両親ともに給与所得者である)

父親が義務者で母親が権利者だと、2万円~4万円

父親が権利者で母親が義務者の場合も2万円~4万円

ただし母親が義務者のケースではギリギリ2万円~4万円のラインです。

ですので下限である2万円に近くなると考えて良いでしょう。

もう一段階年収をあげて見ておきます。

父親の年収が500万円、母親は400万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者のケースでは2万円~4万円

父親が権利者で母親が義務者だと2万円~4万円

このケースでは先程と逆に父親が義務者の場合はぎりぎり2万円~4万円の範囲に収まっています。

そのため上限4万円が相場だと考えて良いでしょう。

子供が15歳以上の場合

では同じ条件で子供が15歳以上のケースを確認していきます。

父親の年収が300万円、母親の年収が200万円(両親ともに給与所得者)

母親が権利者で父親が義務者だと平均して2万円~4万円

父母の養育費権利と義務が入れ替わった場合だと1万円~2万円

両親の年収が低いため、養育費の平均相場としては変わりません。

父親が義務者の場合は3万円程度、母親だと2万円程度が現実的なラインでしょう。

父親の年収は400万円で母親は300万円(両親ともに給与所得者とする)

父親が義務者で母親が権利者だと、2万円~4万円

父親が権利者で母親が義務者の場合も2万円~4万円

この場合だと父親が養育費の支払いをする義務者である場合、1つ上のラインである4万円~6万円とのギリギリの境界に該当します。

そのため上限4万円の支払いになることが多いでしょう。

父親の年収が500万円、母親は400万円(両親ともに給与所得者して計算)

父親が義務者で母親が権利者のケースでは4万円~6万円

父親が権利者で母親が義務者だと2万円~4万円

という形になっています。

自営業者が義務者になった時は、もう少し支払額が上乗せされると考えてください。

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【養育費の平均相場を年収別に比較】子ども2人の場合

次に子供が2人の場合の養育費相場が比較してみます。

養育費算定表としては表3~表5が該当していて、パターン分けが3つになります

2人の子供が15歳未満であるケース

最初は2人の子供が15歳未満であるケースを紹介しましょう。

父親の年収が300万円で母親が200万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと2万円~4万円

母親が義務者で父親が権利者の場合は1万円~2万

という結果になります。

父親の年収が400万円で母親が300万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者になると2万円~4万円

さらに見ていきます。

父親の年収が500万円で母親が400万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者のケースは4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者だと2万円~4万円

母親が義務者の場合は上限4万円が相場だと考えてください。

子供1人が15歳以上、1人が14歳未満のケース

次に子供1人が15歳以上、1人が14歳未満のケースを見ていきます。

父親の年収が300万円で母親が200万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと2万円~4万円

母親が義務者で父親が権利者の場合は2万円~4万円

ただし母親が義務者のケースは境界のラインなので、下限2万円が相場でしょう。

父親の年収が400万円で母親が300万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者になると2万円~4万円

次の年収も確認します。

父親の年収が500万円で母親が400万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者のケースは4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者だと4万円~6万円

この場合に父親だと上限の6万円、母親は下限の4万円程度が相場です。

2人とも15歳以上のケース

最後に2人とも15歳以上のケースを考えます。

父親の年収が300万円で母親が200万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと2万円~4万円

母親が義務者で父親が権利者の場合は2万円~4万円

父親が義務者だと上限4万円が平均的な相場でしょう。

父親の年収が400万円で母親が300万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者になると2万円~4万円

家庭環境にもよるのですが、だいたい間をとった額が平均相場になるはずです。

父親の年収が500万円で母親が400万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者のケースは6万円~8万円

母親が義務者で父親が権利者だと4万円~6万円

子供が2人の場合は以上です。

【養育費の平均相場を年収別に比較】子ども3人の場合

最後に子供が3人いる場合の養育費の平均相場を確認しましょう。

子供がいる場合の養育費算定表は、表6~表9までが該当します。

4種類のパターンがあるので、該当するものを選択してください。

子供が3人とも15歳未満であるパターン

最初は子供が3人とも15歳未満であるパターンです。

父親の年収が300万円で母親が200万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者の場合は2万円~4万円

さすがに3人ともなると、若干ですが相場が上がってきます。

父親の年収が400万円で母親が300万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者になると2万円~4万円

経済的な環境にもよりますが、父親が義務者だと上限6万円以上になるかもしれません。

父親の年収が500万円で母親が400万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者のケースは6万円~8万円

母親が義務者で父親が権利者だと4万円~6万円

父親が義務者だと下限ぎりぎりのラインなので、6万円程度が相場でしょう。

1人が15歳以上で、2人が15歳未満のケース

次に1人が15歳以上で、2人が15歳未満のケースを確認します。

父親の年収が300万円で母親が200万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者の場合は2万円~4万円

父親が義務者だとギリギリで4万円~6万円のラインになっています。

父親の年収が400万円で母親が300万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者になると2万円~4万円

母親が義務者だと高い確率で上限4万円程度の相場になるでしょう。

父親の年収が500万円で母親が400万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者のケースは6万円~8万円

母親が義務者で父親が権利者だと4万円~6万円

子供2人が15歳以上、1人が15歳未満のケース

次に子供2人が15歳以上、1人が15歳未満を考えます。

父親の年収が300万円で母親が200万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者の場合は2万円~4万円

父親が義務者の場合はもう少し額がアップする可能性もあるでしょう。

父親の年収が400万円で母親が300万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者になると2万円~4万円

父親が義務者だと6万円~8万円のラインとの境界なので、養育費の額がアップする可能性は否定できません。

父親の年収が500万円で母親が400万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者のケースは6万円~8万円

母親が義務者で父親が権利者だと4万円~6万円

子供が3人とも15歳以上のケース

最後に子供が3人とも15歳以上であるケースを確認します。

養育費算定表だと表9です。

父親の年収が300万円で母親が200万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者の場合は2万円~4万円

養育費の相場としても高くなっているのが現状です。

父親の年収が400万円で母親が300万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者だと4万円~6万円

母親が義務者で父親が権利者になると2万円~4万円

母親が義務者だと上限4万円が相場になるでしょう。

父親の年収が500万円で母親が400万円(両親ともに給与所得者)

父親が義務者で母親が権利者のケースは6万円~8万円

母親が義務者で父親が権利者だと4万円~6万円

というのが相場です。

ここまで男性の年収が上がれば、女性の年収も上がっている相場で見てきました。

ですがシングルマザーの平均収入は200万円程度ですので、そちらに合わせて考えると養育費の平均相場もかなり高めになってくるでしょう。

元夫の年収だけでなく学歴も養育費に影響を及ぼす?

養育費の額に関わる要素としては以下の点をあげてきました。

  • 子供の人数
  • 子供が15歳未満か以上か
  • 両親の年収
  • 給与所得者か自営業者か

この他にも実は要素として、学歴というものも考慮されるのです。

養育費には支払い義務を負うものと、同じ生活レベルを子供に与えるというのが指標の1つになっています。

簡単にお伝えするのなら両親が離婚した後で、子供と母親は経済的に困窮しているのに父親だけが裕福な暮らしをすることは、人道的に見てもおかしいことだと言うことです。

そのため仮に母親が親権者であったとしても、父親は自分と同じあるいはそれ以上の生活レベルを維持させる必要があるのです。

これが養育費というものの基本的な考えになっています。

生活レベルとは

では生活レベルという言葉の意味に着目してみましょう。

生活レベルというのは、単に現在の暮らし向きのことだけではありません。

元夫が高いレベルでの教育を受けていて、大学だけではなく大学院を卒業しているなどのケースでは、子供にも同じ水準の教育環境を提供する義務があるのです。

もちろん子供の意思というのも尊重されます。

自分は専門的な職業に就きたいから、高校卒業後には大学ではなくて専門学校に行きたいというケースもあるでしょう。

また高校卒業後には働きたいというケースもあるかもしれません。

ですが子供が経済的なことを理由に、学業を諦めることがあってはいけないのです。

そのため進学だけではなくて、塾や習い事に部活動にかかる費用なども、養育費の対象に入っています。

原則として養育費の支払いは成人年齢である20歳までですが、近年の社会では大学卒業までは社会的に自立していないと見なされます。

だからこそ経済的な面を理由として進学を諦めないよう、元夫が高学歴であるのならそれに合わせた費用を捻出しないといけないのです。

中には子供のための養育費の支払いをしたくないと考える人もいますが、子供が生まれてきた以上は扶養する義務も発生します。

この扶養義務は元配偶者が再婚をし、再婚相手が特別養子縁組をしたとしてもなくなるものではありません。

特別養子縁組といった特殊なケースだと法的に親子関係が切れますが原則としては子供の親という事実は重く、簡単には消せないものなのです。

離婚後の養育費を払わない元夫も多いのが実情

養育費の平均的な相場については、前段までで解説した通りです。

例え離婚をしたとしても養育費は親の義務であり、子供の権利になります。

ですが離婚をした後に、養育費を支払わない元夫が多いのも実情なのです。

厚生労働省がシングルマザー世帯に対して調査を行ったところ、養育費の受給状況は芳しくありません。

  • 離婚後から現在も受けているというケースは、全体のわずか19%しかなかったのだから驚くほど低い数字です。
  • 現在は支払われていないけれども、過去に受けたことがあるケースでも16%しかありません。
  • 元も多いのが養育費の支払いを受けたことがない場合で、こちらは約60%にもなります。

確かに家庭によっては養育費を受け取りにくい環境かもしれません。

例えば夫からDVを受けていて、半ば逃げるようにして離婚をしたようなケースなどが該当するでしょう。

そうした事実を鑑みたとしても、あまりにも養育費を支払っている男性が少ないのは事実なのです。

離婚時に養育費の取り決めをする家庭も少ない

そもそも離婚時に養育費の取り決めをしている家庭からして多くありません。

同じく厚生労働省のデータなのですが、離婚時に養育費の取り決めをした家庭は約4割しかないのです。

残りの約6割は取り決めをしていません。

だからこそ一方的に責めることもできないのでしょう。

養育費は親の義務であるといっても、それを知らない人も多くいるからです。

そのため離婚時には、しっかりと養育費について取り決めをしておく必要があるといえるでしょう。

ここでポイントなのは、公的な文書として残すことです。

両者で合意をした後に、自分たちだけで書面にしたり、メールなどで送付するというのは法的な効力がありません。

最初は支払いをしていても、後になって支払いをしなくなる人も多くいます。

そうした時のために法的な効力を持つ、公正証書にしておくことが大切です。

公正証書を作るためには時間も費用もかかりますが、後々にトラブルになることを考えれば安いものでしょう。

公正証書の作成方法についてはこちらの記事をご覧ください。

養育費の増額が決まったら、「公正証書」を必ず作成しよう
養育費を決める時に公正証書を作ったほうが良い理由【弁護士が徹底解説】

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手続きが面倒だったら弁護士に任せよう

もし公正証書などの手続きが難しいのなら、専門家である弁護士に相談をしてみてください。

離婚後でも弁護士を通して、養育費の支払いに関する協議ができます。

もし元夫が「養育費を支払わない」「減額請求をしてきた」といった対応をしてきたら、養育費回収のプロの弁護士に相談して間に入ってもらうことをオススメします。

最近の弁護士は相談料・着手金0円で適正な養育費を請求してくれる事務所がたくさんあります。

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離婚した夫婦のどちらかが再婚したら養育費の金額はどうなるの?

養育費に関して多くの人が勘違いをしているのは、夫婦のどちらかが再婚した場合は支払いをしなくてもいいということです。

ですが再婚をしただけで、子供の扶養義務がなくなる訳ではありません

ただし場合によっては、養育費の増減ができることもあります。

そこで2つのパターンに分けて考えてみましょう。

元夫が再婚した場合

元妻が再婚した場合

元夫が再婚した場合

元夫に養育費の支払い義務があったとしましょう。

この時に元夫が再婚をしても、養育費の支払い義務は無くなりません

ただし再婚相手の収入次第で養育費の増減があると考えてください。

仮に再婚相手の女性に収入がないとしましょう。

元夫も再婚をすれば子供だけではなく、現在の妻に対する扶養義務が発生します。

そのため相手に収入がないと、経済的な負担が増えてしまうでしょう。

つまり養育費の減額を請求してくるかもしれません

ですが慌てる必要はありません。

何故なら収入がないといっても特殊な理由がなければ、潜在的には収入を得られるとして平均的な収入額があるものと見なされるのです。

そもそも専業主婦といっても現在仕事をしていないだけで、就職活動をすれば仕事ができる人が大半でしょう。

だからこそ養育費の減額が決まってから、仕事をするとなると元夫の経済的な負担は以前より減ることになります。

こうしたことを予防するため、怪我や病気、事故の後遺症などによって仕事ができない人とそうでない人で分けて考えているのです。

逆に再婚相手に収入があるのなら、当然ですが養育費が減らされることはありません。

とはいえ離婚相手に対して減額請求を拒否すると、相手を怒らせて面倒な事態になりかねません。

そんな時に役に立つのが弁護士です。

法律の専門家である弁護士なら、たとえ元夫が養育費の減額請求をしてきたとしても、正当な額を受け取るために徹底的に交渉してくれます。

元夫と顔を合わせる必要もないので安心です。

元妻が再婚した場合

他方で親権を持ち子育てをしている女性が再婚したとしましょう。

このケースでは再婚相手と子供が、養子縁組をしたかどうかで異なるのです。

再婚をしただけでは、再婚相手に子供の扶養義務は発生しません。

そのため子供の第一次的な扶養義務があるのは、元夫になると考えるのです。

対して養子縁組をした場合では、再婚相手にも扶養義務が発生します。

ここで勘違いをしがちですが、一般的な養子縁組の場合だと再婚相手が第一次的な扶養義務者となり、実父は第二次的な扶養義務者になる点です。

再婚をした場合には扶養義務がなくなって、養育費を支払わないといいと考えてしまう人もいます。

ですが扶養義務がなくなる訳ではないので、養育費の軽減ができる程度だと考えてください

ただし再婚相手の収入にも当然ですが、大きな影響があります。

一般的な収入の人ですと、ある程度は養育費の軽減ができる可能性が高いです。

特別養子縁組とは

ちなみに養子縁組には、特別養子縁組というものもあります。

特別養子縁組は元夫とは法理的に親子関係をなくし、再婚相手のみが法的な親子関係を結ぶ方法です。

この特別養子縁組には裁判所を通す必要がありますし、認可を受けるには高いハードルが設定されています。

ですので一般的には用いられるものではありません。

ただ先述したように元夫がDVをしていたなどのような理由があり、子供が6歳未満なら認可される可能性があるでしょう。

再婚後の養育費について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

再婚したら養育費ってどうなる?【養子縁組がポイント】

続きを見る

離婚後に子どもとの面会交流を定期的に行うのも養育費をしっかり払ってもらうポイント

離婚後に離れて暮らす親と子供が会うことを面会交流と言います。

これは民法で定められた権利であり、両親と子供との交流については協議によって定めるべきとしているのです。

民法第766条

父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。

法務省だより「あかれんが」より

養育費を支払うことが、面会交流権を得ることの条件ではありません。

そもそも別物の権利だからです。

ですが面会交流を行うことは、非親権保持者が養育費を支払うことのモチベーションに繋がるでしょう。

また電話で話すだけではなく、直接顔を合わせてコミュニケーションを取ることで、愛情と責任感が増すと考えられます。

面会交流の際は子供の意思も尊重しよう

ただし1つ注意したいのは、子供の意思も尊重しないといけない点です。

元夫が子供に対して肉体的や精神的に暴力を振るうような人だと、子供からすれば積極的に会いたいとは思わないでしょう。

こうした面会交流を拒否すべき理由があるのなら、いかに権利があるといっても会わせるべきではありません。

逆に親権保持者が会わせたくないと考えていても、子供の方から積極的に会いたいというのなら会わせてあげるべきです。

親の感情を優先して、親子の交流を絶ってしまうのは良くないことだからです。

自覚はないとしても親によっては離婚した相手のことを、子供の前でつい悪く言ってしまうことも多いでしょう。

自分にとっては離婚をした相手でも、子供にとっては親なのです。

だからこそ子供の自由意思を曲げるような言動も、できるだけ慎むようにすることが大切だと言えます。

特に子供が幼いのなら、自分の感情よりも子供の意思を尊重することを重視してあげることも重要なのです。

離婚後の養育費の平均や相場についてわからない時は弁護士に相談を

子供のいる夫婦が離婚すれば、子供の養育費の問題が発生します。

どうせ相手は借金だらけだから払えない、などのように決めつけてしまって最初から話し合いをしないという人も多いでしょう。

ですが養育費は親の義務でもあり、子供が持つ権利なのです。

だからこそ離婚をする時には、子供のために両親が協議をしないといけません。

実際にデータとして約6割の夫婦が協議をせずに離婚しています

その結果が多くの人が養育費を支払わないという現状です。

養育費について自分が分からないのなら、弁護士に依頼をしても協議をすべきだと言えるでしょう。

平均的な相場が分からないのなら、弁護士に相談をするだけでも良いです。

初回の相談料は無料としている弁護士事務所も少なくありません。

ですので費用のことは考えずに相談ができるでしょう。

まとめ:【養育費の平均相場ってどれくらい?】離婚後の子どもの人数や親の年収ごとに徹底解説

離婚後の養育費の平均的な相場についてでした。

養育費はそれぞれの家庭環境によって決めるべきもので、ある程度の目安はあるので、それを元にして両親がお互いに納得いく額を協議して決めます。

この平均的な目安を見るのに使われるのが養育費算定表です。

子供の人数と年齢、両親の収入、給与所得者か自営業者かといったポイントで、養育費の額が左右されることになります。

養育費算定表にも9つの種類があり、子供の人数と年齢によって1つずつ算定額が異なるようにもなっているのです。

ですのでまずは平均的な相場を知るために、養育費算定表を確認してみるのをおすすめします。

また「養育費の未払い問題」「養育費回収の手続き」「元配偶者からの減額請求への対応」といった養育費に関するトラブルでお困りの場合は、弁護士に相談してスムーズに問題を解決することをオススメします。

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