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離婚して元夫が再婚したら、養育費の支払い義務はどうなるの?
本記事では、このお悩みを解決していきます!
養育費は、未成熟子が社会的自立を果たすまで必要とされる費用のことで、子供と同居していない親に支払い義務が発生します。
ただし、あなたや元夫の再婚や、子供との養子縁組の状況によって、養育費の支払い義務に変化が生じます。
支払いに大きな影響を及ぼすのが「養子縁組」をしているか、していないかです。
本記事では、「再婚したら養育費はもらえない?」という疑問について、シン・イストワール法律事務所の弁護士が詳しく解説していきます。
分かりやすく解説するために「夫婦が離婚してシングルマザーが子供を育てているという状況」を想定しています。
今回のテーマ
- 養育費に影響を与える養子縁組とは
- 【母親が再婚したら】養育費ってどうなる?
- 【元夫が再婚したら】養育費ってどうなる?
- 養育費の減額請求をされた時の対処法
- 【意外と知らない!】養育費のキホン
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養育費は子の権利であり、親の義務です。
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養育費に影響を与える「養子縁組」とは?
再婚した際、養育費の支払いは「養子縁組の有無」によって大きく異なります。
養子縁組とは一体何か、まずは理解していきましょう。
養子縁組とは?
養子縁組とは「血縁関係のない親と子の間に、人為的に親子関係を生じさせること」をいいます。
養子縁組は、養親と養子との間に法律上の親子関係を作り出す制度です。
参考:法務省「養子縁組について知ろう」
養子縁組が成立すると、法的な親子関係が認められるため、扶養義務や相続権が生じます。
親と子は、互いに扶養する義務を負います(民法877条1項)。
この扶養義務は、夫婦が離婚しても子どもとの間で断たれるものではありませんので、子どもを引き取らなかった親も、子どもに対する扶養義務の一環として養育費を支払うべき一般的義務があると言えます。
参考:東京弁護士会「養育費」
つまり、養育費は法律上の「扶養義務」が発生する場合に、支払い義務が生じるのです。
養子縁組は、血縁関係のない者同士の親子関係を認め「扶養義務」を生じさせるため、養育費を考えるときに非常に重要と言えます。
養子縁組には2種類ある
養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があります。
- 普通養子縁組
書類を提出するだけの簡単な手続き。新しい親との親子関係が発生するが、実の父親との親子関係も継続される。
実の父親(元夫)との親子関係は継続されるため、養育費の支払い義務は残る。 - 特別養子縁組
家庭裁判所に審判申立てを行うやや煩雑な手続き。新しい親との親子関係が発生した時点で、実の父親との親子関係は消滅する。
実の父親との親子関係は消滅するため、養育費の支払い義務も消滅する。
2つの養子縁組の違いは「実の父親との親子関係が残るかどうか」です。
一般的な再婚では普通養子縁組が行われますが、実の父親に問題がある場合は家庭裁判所に認めてもらうことで特別養子縁組を結ぶことができます。
【母親が再婚したら】養育費ってどうなる?
ここからは、離婚した子持ちの母親が再婚した時の養育費について見ていきましょう。
ここでは4つのパターンに分けて考えていきます。
- 母親の再婚相手が子供と養子縁組を結んでおり、収入が多い
- 母親の再婚相手が子供と養子縁組を結んでおり、収入が少ない
- 母親の再婚相手が子供と養子縁組を結んでおらず、収入が多い
- 母親の再婚相手が子供と養子縁組を結んでおらず、収入が少ない
順番に見ていきましょう。
ケース① 母親の再婚相手が子供と普通養子縁組を結び、収入が多い
まず養育費の受取人(権利者)である母親の再婚相手が子供と普通養子縁組を結んだ時点で、一次的な扶養義務は再婚相手に発生します。
そのため実父の扶養義務は二次的になりますので、母親(権利者)が受け取る養育費は減額される可能性が高いです。
そしてこのケースでは再婚相手の収入が多いため、子供の成長に実父の養育費は不要と見なされ、支払い義務が無くなる可能性もあります。
ケース② 母親の再婚相手が子供と普通養子縁組を結び、収入が少ない
上段でも触れましたように養子縁組によって実父の扶養義務は二次的になりますので、母親(権利者)が受け取る養育費は減額される可能性が高いです。
ただし、一時的な義務者である再婚相手の扶養義務が十分に果たされない場合、二次的な扶養者である実父に養育費を請求できます。
ケース③ 母親の再婚相手が子供と養子縁組を結んでおらず、収入が多い
母親の再婚相手が子供と養子縁組を結んでいない場合、子供の扶養義務はすべて実父にあります。
つまり、実父に養育費請求できるということです。
この場合、母親の再婚相手の収入がどれだけ多かったとしても、子供の扶養義務を負う実父に養育費請求できます。
ケース④ 母親の再婚相手が子供と養子縁組を結んでおらず、収入が少ない
母親の再婚相手が子供と養子縁組を結んでいないため、子供の扶養義務はすべて実父にあります。
養子縁組を結んでいない場合、再婚相手の収入の多い・少ないを問わず、元夫に養育費を請求できます。
ここまで、あなたが再婚した場合の養育費ついて、ケース別にご紹介しました。養子縁組と扶養義務が重要ですので、覚えおきましょう。
【元夫が再婚したら】養育費ってどうなる?
続いては離婚した元夫が再婚した時の養育費について見ていきましょう。
こちらに関しても4つのパターンに分けて考えていきます。
- 元夫の再婚相手に子供がいない
- 元夫の再婚相手との間に新しく子供ができた
- 元夫が再婚相手の元からいた子供と養子縁組を結んだ
- 元夫が再婚相手の元からいた子供と養子縁組を結んでいない
順番に見ていきましょう。
*ここでの元夫は養育費を支払う側(義務者)とします
ケース① 元夫の再婚相手に子供がいない
再婚相手との間に子供がおらず、再婚相手に連れ子がいない場合、実の子への養育費義務は残ります。
ただし、扶養義務は子供だけではなく、妻や両親などの家族にも発生するため、養育費の優先順位が下がる可能性があります。
なぜなら、配偶者に対する扶養義務も負うからです。
元夫、元夫の再婚相手の経済状況によっては、子供の養育費を減額される可能性があります。
ケース② 元夫の再婚相手との間に新しく子供ができた
養育費を支払う元夫(義務者)と再婚相手との間に新しく子供ができた場合、その子供は血縁関係のある子どもですので扶養義務が生まれます。
元妻との子供だけでなく再婚相手との子供にも扶養義務が生まれるので、養育費を減額される可能性があります。
ケース③ 元夫が再婚相手の元からいた子供と養子縁組を結んだ
元夫が、再婚相手の連れ子と養子縁組を結んだ場合、その子供と法的な親子関係が生まれますので扶養義務が発生します。
元妻との子供だけでなく再婚相手の子供にも扶養義務が生まれるので、養育費を減額される可能性が高いでしょう。
ケース④ 元夫が再婚相手の元からいた子供と養子縁組を結んでいない
元夫が、再婚相手の元からいた子供と養子縁組を結んでいない場合、その子供と法的な親子関係はありませんので扶養義務も生じません。
そのため元夫は元妻との子供にのみ扶養義務がありますので、養育費を継続的に支払う義務があります。
ただ元夫の再婚相手の収入が少なかった場合、減額請求が認められる可能性があります。
養育費の減額請求をされた時の対処法
ではもしもシングルマザーであるあなたが元夫から減額請求を受けた場合、どう対処すれば良いのでしょうか?
減額請求は拒否できる
ここで知っておきたいのは必ずしも請求を承諾する必要はないということです。
ですが減額請求を拒否すると、元夫が養育費減額調停を申し込んでくることがあります。
養育費減額調停では調停委員を間に挟んで話し合いを行い、妥当な額を決定します。
その際に
- 母親(権利者)の生活が経済的に苦しい
- 母親(権利者)の再婚相手の収入が少ない
- 子供の学費が増えてきた
- 元夫(義務者)の収入が多い
- 元夫(義務者)の再婚相手の収入が多い
といった条件に該当していると、減額請求の拒否が認められる可能性が高いです。
養育費減額調停でも双方が納得しない場合は、裁判所の審判に判断を仰ぐことができます。
手続きが面倒な時は弁護士へ
とはいえ調停での話し合いが面倒だったり、元夫と顔を合わせたくない、といった方もいらっしゃることでしょう。
そんな時は弁護士に依頼すればすべての手続を代行してもらうことができます。
弁護士費用が気になる方も心配いりません!
最近の弁護士は相談料や着手金を0円とする、リーズナブルな事務所も増えてきています。
「元夫からの減額請求を拒否したい」「養育費の増額請求をしたい」「養育費の差し押さえをしたい」といった悩みを抱えた方はぜひ一度弁護士に相談してみましょう。
【意外と知らない!】養育費のキホン
まずは養育費とはどういうものなのか簡単に解説していきます。
養育費とは?
養育費とは未成熟子が社会的自立を果たすまで必要とされる費用のことで、生活費や学費、医療費などが該当します。
一般的には離婚した夫婦間で、子供と暮らしていない非監護親から子供と暮らす監護親に支払われます。
よくある間違った認識として「養育費は離婚した相手(元配偶者)に対して支払われる費用」だと捉えている方もいらっしゃいますが、養育費はあくまでも子供に対して支払われるものです。
振込先が自分の口座だからといって私利私欲のために使うようなことがあってはいけません。
養育費は義務?
養育費は民法887条で定められてる扶養義務に基づいて支払われる費用です。
第877条【扶養義務者】
- 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
- 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
- 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。
WIKIBOOKSより
ご覧のように血族(血縁関係がある人)には互いに扶養義務があります。
そして両親が離婚したからと言って、夫婦ともに子供に対する扶養義務は無くなりません。
そのため子供に対する扶養義務がある限り、養育費の支払いを拒否することはできないのです。
ですが厚生労働省の調査では「養育費の支払いを受け取っている世帯は全体の2割のみ」という現状があります。これは「養育費は義務であるという事実が知られていない」「元夫が怖くて請求できない」といった問題点によるものだと考えられます。
条件を満たしていれば養育費は必ず受け取ることができます。養育費に関してお困りの方は一度法律の専門家である弁護士に相談することをオススメします。
養育費交渉を自力ですると、失敗の可能性が高い
養育費の交渉をご自身で行うと、失敗の可能性が非常に高いため、おすすめできません。
養育費交渉が失敗に終わりやすい理由は、主に2つです。
- 自力だと適切な金額で交渉できないから
養育費は元夫やあなたの収入状況・資産状況などを考慮して決定されるため、人によって適正額は様々です。
自力で進めようとする方のほとんどが、適性額よりも少ない金額で交渉してしまい、後悔されています。 - 資料作成などの煩雑な手続きを進めるのが難しいから
養育費請求には、審査のための資料作成や、裁判所とのやり取りなど、非常に煩雑な手続きが必要です。
シングルマザーとして子育てや仕事をしながら、これらの資料作成を行うのは簡単ではなく、途中で断念される方も少なくありません。
このように、養育費請求を自力で行うの簡単ではなく、失敗に終わる可能性が非常に高いです。
弁護士などの専門家に依頼して、すべての手続きを代行させるのが確実で、スピーディーな方法のため、おすすめです。
まとめ:再婚したら養育費ってどうなる?【養子縁組が重要なポイントです】
- 養育費とは未成熟子が社会的自立を果たすまで必要とされる費用のことで、生活費や学費、医療費などが該当する
- 離婚しても再婚しても血縁関係がある限り養育費の支払いは義務である
- 養育費は条件に応じて額の変更ができる
- 再婚した母親が受け取ることができる養育費は再婚相手の収入・養子縁組の有無で変わる
- 再婚した元夫が支払う養育費は子供の有無・再婚相手の収入・養子縁組の有無で変わる
- 元夫からの養育費の減額請求を拒否したい時は調停委員や裁判所に関与してもらう
- 減額請求のやり取りが面倒な方は弁護士に相談するのがオススメ!
今回は離婚した母親あるいは父親が再婚した時に養育費の額はどう変わるかを説明しました。
再婚するのが母親か父親かで判断材料は変わりますが、養子縁組の有無は大きく関係しているということを覚えておきましょう。
- 養育費を多く受け取りたい母親は、子供が成人するまでは養子縁組を結ばせずに減額されない養育費を受け取り続け、子供が成人して受け取りが終わったら、再婚相手と子供に養子縁組を結ばせるのが一番効率的です。
- 逆に養育費を支払いたくない父親は、収入の少ない子持ちの母親と再婚して、さらに新しい子供を作った後に元妻に養育費の減額請求を行なうのが一番効率的です
もしも減額請求のやりとり、調停委員との手続きが面倒な方は、法律の専門家である弁護士に依頼すれば全てのやりとりを代行してもらうことができます。
最近の弁護士事務所では相談料や着手金を無料としているところもあります。
まずは無料相談で予算について話し合うのも良いかもしれません。
シン・イストワール法律事務所は、これまで数多くの養育費回収トラブルを解決に導いてきました。
豊富な経験とノウハウを知り尽くしたシン・イストワール法律事務所へ、安心してご相談ください。
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